公開:2026年6月

icon

IBD患者さんへの医療費助成制度

医療費負担を軽減するための支援制度について解説します。

公開:2026年6月

小児慢性特定疾病と医療費助成制度

小児慢性特定疾病とは?

小児慢性特定疾病とは、児童福祉法に基づき18歳未満の児童(継続治療が必要な場合は20歳未満まで含む)がその疾病にかかることにより、長期にわたる療養を必要とし、かつ高額な医療費を要するものとして国が指定した疾患をいいます。これらの疾病に該当する場合、小児慢性特定疾病医療費助成制度の対象となります。対象となるのは以下の要件をすべて満たす小児患者さんで、厚生労働大臣が社会保障審議会(小児慢性特定疾病対策部会)の意見を聴いたうえで定めています。

●小児慢性特定疾病の要件

慢性に経過する疾病であること
生命を長期に脅かす疾病であること
症状や治療が長期にわたって生活の質を低下させる疾病であること
長期にわたって高額な医療費の負担が続く疾病であること

出典:小児慢性特定疾病情報センター「医療費助成制度」

2025年4月1日現在、16疾患群・801疾病が小児慢性特定疾病として認定されています。なお、16の疾患群や各疾病の概要については「小児慢性特定疾病情報センターホームページ(外部リンク)」にてご確認ください。

小児慢性特定疾病における医療費助成の仕組み

慢性消化器疾患や小児がんなど、小児慢性特定疾病に定められている疾病は、長期にわたる治療が必要で、その分医療費負担が高額となります。「小児慢性特定疾病医療費助成制度」は、小児慢性特定疾病対策における児童の医療費補助を行う制度です。

小児慢性特定疾病医療費助成制度では、医療費支給認定を受けた小児慢性特定疾病患者さんが、都道府県等から指定された指定小児慢性特定疾病医療機関(病院、診療所、薬局、訪問看護ステーションなど)で受けた診察や検査、入院、投薬などの医療(指定小児慢性特定疾病医療支援)にかかった医療費が対象になります。

小児IBD患者さんの場合、潰瘍性大腸炎・クローン病ともに疾病の状態の程度が「疾病による症状がある場合または治療を要する場合」に小児慢性特定疾病医療費助成制度の申請を行うことができます(図1)。認定されると20歳になるまで医療費助成が受けられ、その後は指定難病として医療費助成を申請することができます。

【図1】小児慢性特定疾病医療費助成制度の対象となる疾病の程度

小児慢性特定疾病医療費助成制度の対象となる疾病の程度

出典:厚生労働省「平成26年12月18日厚生労働省告示第475号」より、第十二表 慢性消化器疾患部分を抜粋

小児慢性特定疾病医療費助成制度における自己負担上限額

小児慢性特定疾病医療費助成制度の自己負担上限額も、指定難病医療費助成制度と同じように、世帯の収入に応じて設定されています。所得階層区分は指定難病と同じで、自己負担上限額は指定難病の自己負担上限額の半額で設定されています(図2)。小児慢性特定疾病医療費助成制度の支給認定を受けた場合も指定難病と同様に、指定小児慢性特定疾病医療機関での窓口負担が、自己負担上限額(月額)までになります。ただし、自己負担上限額と医療費2割負担を比較した際に、自己負担上限額の方が上回る場合は、患者さんの窓口での支払額は低い方の2割が適用されます。

難病医療費助成制度の自己負担上限額については、「IBD患者さんが受けられる医療費助成制度」をご確認ください。

【図2】小児慢性特定疾病医療費助成制度における自己負担上限額(月額)

小児慢性特定疾病医療費助成制度における自己負担上限額(月額)

参考:小児慢性特定疾病情報センター「医療費助成に係る自己負担上限額」をもとに作成

小児慢性特定疾病において、月ごとの医療費の総額が50,000円を超える月が申請日の月以前の12か月で6回以上ある患者さん(高額治療継続者)や、重症患者認定基準に適合する患者さん(療養負担過重患者)については、重症患者として申請することができます(図3)。重症患者認定を受けた場合、階層区分の一般所得Ⅰ・Ⅱ、上位所得において軽減された自己負担上限額が適用されます。

なお重症患者認定基準については、「小児慢性特定疾病情報センターホームページ(外部リンク)」にてご確認ください。

【図3】 高額治療継続者となる場合の例

高額治療継続者となる場合の例
申請から支給認定までの手続きの流れ

小児慢性特定疾病医療費助成制度の支給認定は、保護者の方からの申請に基づき行われます。申請時に必要な書類は、患者さんの状態や各都道府県等によって異なることもありますが、主に以下の書類が必要となります。

●申請時に主に必要となる書類

小児慢性特定疾病医療費支給認定申請書兼小児慢性特定疾病登録者証申請書
小児慢性特定疾病医療意見書(小児慢性特定疾病指定医が記載したもの)
健康保険証の写し
世帯全員の住民票の写し
世帯の所得状況を確認できる書類(市町村民税(非)課税証明書等)
医療保険の所得区分の確認書類(同意書)
マイナンバー(個人番号)を確認できる書類と身元確認書類

※申請に必要となる書類についてはお住まいの自治体の窓口にお問い合わせください。

参考:神奈川県「神奈川県小児慢性特定疾病医療費助成制度」

小児慢性特定疾病医療費助成制度の支給認定までの主な流れは以下のとおりです(図4)。

【図4】小児慢性特定疾病医療費助成制度の支給認定までの流れ

小児慢性特定疾病医療費助成制度の支給認定までの流れ

参考:小児慢性特定疾病情報センター「医療費助成 手続きの流れ」をもとに作成

指定小児慢性特定疾病医療機関を受診し、医療意見書の作成を依頼します。小児慢性特定疾病指定医が所属する指定医療機関については、お住まいの都道府県・指定都市の窓口にご確認ください。
小児慢性特定疾病指定医は診断内容をもとに、医療意見書を作成します。医療意見書の作成に時間を要する場合は、先に居住地域の自治体窓口へ申請の相談を行いましょう。
医療意見書を含む、必要書類をすべてそろえたうえで、都道府県・指定都市の窓口に提出します。
都道府県・指定都市に設置された小児慢性特定疾病審査会による認定審査が行われ、審査によって認定された場合は、難病医療費助成制度と同様に、医療受給者証と自己負担上限額管理表が交付されます。小児慢性特定疾病審査会による認定審査の結果、認定されなかった(支給認定基準を満たしていないと判断された場合)場合は、不認定となった理由が通知されます。
小児慢性特定疾病指定医療機関を受診する際に、医療受給者証を窓口に提示することで、医療費助成を受けることができます。


なお、医療受給者証の有効期間は申請日から原則1年間です。継続して医療費助成を受ける場合は、毎年更新が必要になります。更新手続きの際は、改めて小児慢性特定疾病指定医に更新に必要な医療意見書を作成してもらいます。そのほか更新時に必要な書類や更新時期は自治体ごとに異なる場合があるため、居住地域の申請窓口にご相談ください。

用語辞典で以下の用語について確認してみましょう。