潰瘍性大腸炎
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潰瘍性大腸炎とは?

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜に慢性的な炎症が起きて、潰瘍(皮膚の表面のほうがなくなってしまう状態)やびらん(ただれ)ができる病気です。炎症は大腸で起こり、肛門にいちばん近い直腸から奥のほうへと広がることが知られています。その広がり方はさまざまで、病変が直腸だけにおさまっている患者さんもいれば、奥まで広がっている患者さんもいます。潰瘍性大腸炎とよく似た病気に、クローン病がありますが、クローン病では、口腔から肛門までの消化管のどの場所でも炎症が起こります。

症状としては、下痢や血便、腹痛などがあります。これらの症状はよくなったり、悪くなったりを繰り返します。

しかし、潰瘍性大腸炎と診断されても、悲観することはありません。ほとんどの患者さんは、服薬などの内科的治療で、これまでとあまり変わらずに日常生活を送ることができるようになってきています。ただし、場合によっては、中毒性巨大結腸症などの合併症を起こしてしまうこともあり、手術が必要になることもあります。

日本でも1970年代から厚生労働省の研究班などがこの病気の原因や治療法について研究を進めています。患者数は年々増加していますが、欧米よりは少ないともいわれています。

原因


潰瘍性大腸炎の原因はまだ明らかになっていません。

生まれつきの体質という「遺伝的要因」に、食事や生活習慣などの「環境的要因」が加わって、腸の免疫機能(ウイルスや細菌などの外敵から体を守る機能)が正常に働かなくなることから起こると考えられています。潰瘍性大腸炎の患者さんの腸では、過剰に免疫細胞が働いてしまうことで、TNF-αをはじめとする炎症物質が過剰に分泌されます。この過剰な炎症物質によって、炎症やびらんを引き起こすと考えられているのです。

腸内にいる細菌、いわゆる腸内細菌が病気の発症に関係していることも指摘されています。人間の体内には100種類以上の腸内細菌がおり、それらの細菌のバランスが崩れ、特定の細菌が増えることによって、免疫機能に異常が起きたり、炎症が起こったりすることが推測されています。

潰瘍性大腸炎を発症させたり、悪化させたりする要因として、喫煙者が禁煙した場合や食事(欧米風の食生活)、一部の医薬品の関与が推測されています。この病気は日本でも年々増加しているのですが、食生活の欧米化も、増加の原因の一つであると考えられています。

免疫機能が引き起こす病気

免疫機能は、細菌やウイルスなどの外敵から私たちの体を守るためのシステムです。インフルエンザウイルスのように、体の外から入ってくる外敵を「抗原」といい、それを攻撃して排除する物質を「抗体」といいます。抗体は白血球からつくられます。白血球のなかには、マクロファージ、ヘルパーT細胞、キラーT細胞などの免疫細胞があり、それぞれに役割をもっています。これらの免疫細胞は、ウイルスなどの抗原を見つけると、体に害を及ぼす異物と判断し、それを排除するために攻撃します。

しかし、病気から私たちを守ってくれるはずの免疫細胞が、何かのきっかけで過剰に働きすぎて、自分の体を攻撃してしまうことがあります。この免疫異常が、潰瘍性大腸炎を発症するおおまかなしくみだと考えられています。