潰瘍性大腸炎
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日常のケア

日常生活のケア

潰瘍性大腸炎は基本的には、一生お付き合いしていく病気です。このような話をすると、ショックを受けてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には多くの患者さんが寛解期(症状の軽い時期)を維持しながら、ほかの人とあまり変わらない社会生活を送っています。
潰瘍性大腸炎は、適切な治療や検査を受けていくことで、これまで通りの生活を送ることが十分に可能です。しかし、いくつかの点については注意や改善が必要になるかもしれません。

■食事

基本的には、栄養バランスのよい食事を摂ることを心がけてください。

寛解期(症状の軽い時期)には、あまり神経質にならなくてもよいでしょう。一般的に低脂肪・低残渣(繊維分が少ないこと)の食事がすすめられますが、患者さん自身が実際に食事をしていくなかで、脂っこいものを食べたときには調子が悪いなど、自分の体調に合わない食品をみつけて、病態に悪影響を及ぼす食品は避けるようにしてください。暴飲、暴食は避けてください。香辛料などの刺激物も過度にとることは控えたほうが無難です。

活動期(症状が重い時期)、とくに激症・重症期には食事制限が必要な場合もありますので、医師の指示にしたがってください。

■飲酒

一般的にアルコールは腸の粘膜に悪影響をおよぼしますので、潰瘍性大腸炎の症状を悪化させる可能性があります。ただし、寛解期であれば、適度の飲酒は問題ないでしょう。

■肛門ケア

排便後にトイレットペーパーで強く拭くと、肛門周辺の皮膚が傷ついてしまいます。温水シャワーで肛門を洗うようにしましょう。びらんができている場合には、適切な処置が必要になることもありますので、担当医の指示をよく聞いてください。

生活サポート

進学や就職

潰瘍性大腸炎は比較的若い年齢で発症するため、発病後に進学や就職の時期を迎える患者さんも少なくありません。ストレスはこの病気の症状を悪化させることが知られていますので、学校や職場を選ぶ際には、通勤、通学に時間がかかる、就業時間が長い職場、競争の激しい進学校など、病気へのストレスがかかるかどうかという点も考慮に入れるとよいでしょう。

また、就職の不利になることを心配して、この病気であることを面接時などに就職希望先に伝えない患者さんが少なくありません。しかし、就職した後も定期的な通院が必要であることを考えると、この病気であることを就職希望先に伝えておくほうがよいかもしれません。

妊娠・出産

基本的には、潰瘍性大腸炎と診断されても、妊娠・出産に問題はありません。実際のところ、主治医の指示で適切な治療と検査を続け、再燃させないようにすることによって、多くの患者さんが妊娠・出産をしています。

妊娠・出産中の薬物療法については、ほとんどの治療薬に大きな問題はなく、妊娠していないときと同様の治療を行うべきだと考えられています。しかし、日本では、妊娠中の薬物治療はできるだけ慎重に行うほうがよい、と考える医師が多いようです。

日本でも海外でも、5-ASA製剤、インフリキシマブ、ステロイドは比較的安全だと考えられていますが、免疫調整薬は、妊娠中には投与しないほうがよい、と考えられています。

男性についても同様で、病気やその治療が原因で、妊娠・出産に悪い影響が出ることはほとんどありません。

また、ストーマを造設した方では性生活に対して消極的になることがあります。しかし、性行為によってストーマが傷つくことはありません。ストーマを装着している部分を強く圧迫しないなどのささやかな注意で手術前と変わらぬ性生活を、大半の患者さんが取り戻しています。

主治医と相談し、家族計画に応じた薬物療法を行えば、とくに心配することはないといっていいでしょう。

周囲のサポート

潰瘍性大腸炎は、原因がまだはっきりせず、根本的な治療法がないことなどから、体だけでなく心にも悪影響を及ぼすことが知られています。とくに活動期には、仕事や日常生活、将来についての不安が高まるという指摘もなされています。したがって、周囲の人々のサポートが重要になります。

患者さん本人だけでなく、家族や友人も、潰瘍性大腸炎と診断されても、寛解期であれば健康な人と同じように生活することができ、進学や就職、結婚も問題がないということを知る必要があります。同時に、どのような症状があり、どのようなことに悩まされているのかということを知ることも大切です。

潰瘍性大腸炎という病気を正しく知ることが、患者さんへの理解とサポートにつながります。

また、病気についての理解を深めるためには、患者さんや家族を対象にした講演会や患者会に参加することも役に立ちます。病気やその治療についての知識や情報が得られるだけでなく、多くの患者さんが自分と同じ病気とたたかっていることを知るのにもよい機会です。心理面での安定を得られることも多いことでしょう。