公開:2021年9月28日
更新:2024年07月

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IBDの気になることば

IBDに関することばの解説をしています。

監修:JA北海道厚⽣連 札幌厚⽣病院 副院⻑ 兼 IBDセンター⻑ 兼 臨床試験センター⻑ 兼 診療情報管理室⻑ 本⾕ 聡 先⽣

公開:2021年9月28日
更新:2024年07月

監修:JA北海道厚⽣連 札幌厚⽣病院 副院⻑ 兼
IBDセンター⻑ 兼 臨床試験センター⻑ 兼
診療情報管理室⻑
本⾕ 聡 先⽣

タイトコントロール

タイトコントロールとは、治療目標達成に向けて、臨床症状のみならず血液検査などのバイオマーカーの正常化を確認しつつ、より厳密な治療管理を行うことです。

炎症性腸疾患(IBD)の治療目標は、症状の改善に努めるのみならず粘膜治癒や組織学的寛解を長期的に達成する「T2T(treat to target):目標達成に向けた治療」という概念が提唱されるようになりました。T2Tを実践することで患者さんの生活の質(QOL)を高め、長期間におよぶ寛解維持が期待されています。

T2T達成の手段としてタイトコントロールが重要となります。このためには厳密な疾患活動性の把握が重要となり、CRP(C反応性タンパク)/ESR(赤血球沈降速度)/LRG(ロイシンリッチα2グリコプロテイン)や便中カルプロテクチンなどのバイオマーカーや、必要に応じて内視鏡検査によって、病勢の悪化や再燃を適切に評価することが大切です。このためには、治療目標やT2Tのコンセプトを、医師と患者ができる限り共有する努力を継続することも重要になるでしょう。

※バイオマーカー:タンパク質や遺伝子などの生体内の物質で、病状の変化や治療の効果の指標となるもの。
引用元:「国立がん研究センターがん情報サービス 用語集」
https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/modal/biomarker.html