クローン病 Chrohn's disease
プライバシーマーク

治療

その他の治療

栄養療法

中等症とされた患者さん、また軽症と診断され、薬物療法を行ったものの効果がみられなかった場合には「栄養療法」が行われることがあります。また、ステロイド剤の投与が望ましくない合併症をきたしている患者さんや、薬物療法で副作用が認められる患者さんにも栄養療法が検討されます。

栄養療法は、腸を安静に保ちつつ、栄養状態を改善するために栄養剤を投与する治療法です。「経腸栄養法」と「完全静脈栄養法」があり、どちらにも食事による刺激を減らして、腸の炎症を抑えることによって、寛解へと導く効果と寛解を維持する効果があります。栄養療法中は下痢になりやすいといわれています。

活動期(症状が重い時期)には、寛解導入方法として、入院し、絶食したうえで栄養剤などを経口、もしくは経鼻で投与します。2~4週間して症状が改善したら、寛解維持療法として、栄養剤の投与量を徐々に減らしながら、食事量を少しずつ増やしていきます。

栄養療法は、すぐには効果があらわれませんが、副作用がほとんどないことが大きなメリットです。80%近い有効率が報告されたこともありますが、現在は薬物治療が充実してきたことと、患者さんのQOLなどの理由から、栄養療法を実施しない施設もあります。

顆粒球除去療法(GMA)

クローン病の治療では、「血球成分除去療法」を行うこともあります。こちらは、既存治療の効果が十分にみられない場合に併用療法として検討されます。白血球のなかの顆粒球と単球を吸着・除去する「顆粒球除去療法(GMA)」と、白血球をほぼすべて除去する「白血球除去療法(LCAP)」とがありますが、クローン病の治療で保険適用されているのは顆粒球除去療法です。

顆粒球除去療法とは、炎症の引き金になっている白血球のうち顆粒球と単球を血液から取り除くことにより、炎症を抑えることを目指します。血液透析の機械を使って血液を取り出し、フィルターやビーズで白血球を取り除いてから、患者さんの体に血液を戻します。

原則として、この治療は週1回のペースで、5回ほど行います。このサイクルで最大2回ほど治療を行います。大きな副作用はありませんが、すぐには効果があらわれません。

内視鏡的拡張術

クローン病で、腸管が狭窄してしまった(狭くなってしまった)場合には、手術が検討されますが、「内視鏡的バルーン拡張術(EBD: Endoscopic Balloon Dilation)」が実施されることもあります。これは、内視鏡を使って、「バルーン」と呼ばれる風船状の医療機器を挿入し、それを膨らませることで、狭くなった腸管を広くします。

近年、内視鏡の普及と技術の向上により、外科手術を回避するなどのため行われています。治療成績は、短期的にはよいとされていますが、長期的には外科手術が必要になる症例もあります。